プロフィール】
- S56年文学部卒
- 英文学科 石川ゼミ
- 神奈川県川崎市在住
- 勤務先 ㈱リフォ-ムプラザ小泉
Q.卒業した学部は文学部英文科ですね。その村上さんが今は一級建築士の資格を取り、住宅リフォ-ム会社で設計のお仕事に関わっておられる。工学部を出た方や建設会社勤務の方でも資格取得に何年もかかってもおられると聞いている狭き門の国家資格。畑違いのような転換をされてる職業に就かれていることに興味惹かれます。
結婚して関東に移り住み、はじめは医療事務関係の仕事をしていました。働いていたクリニックの院長先生が突然倒れ、職を失うことになりました。しっかりとした資格を取って、もっとしっかりとしたところに職を求めたいと考えました。以前両親が芦屋の実家を建築したとき、内装に口出ししながら、インテリアコ-ディネ-タ-に強く興味を持ちました。そして、一念発起、本格的にインテリアコ-ディネ-タ-の学校に2年通い、資格を得ました。そこで、運よく今の会社に採用されたのです。どんどん仕事をしているうちに、住宅内装を考えるうえで、その建物全体の構造を知る必要があると知りました。そして、二級建築士の資格をがんばって取ったのです。それで終わるつもりでしたが、義父が一言、こういいました。「二級建築士はなんとか取れても一級は無理だよね。」
カチンと私の脳にスイッチが入りました。やってやれないことはない。またまた一念発起。こんどもさらに並大抵な勉強では受かりそうにありません。朝、出勤前に1時間、昼休みパンをかじりながら1時間、夜3時間。とにかく最低5時間は毎日勉強しました。理数系は得意だったかって?いえいえまったく。でもよくよく勉強してみると中学3年程度の数学をしっかり理解できれば時間さへあれば理解できるとわかったんです。そりゃあ努力しましたよ。なにしろ建設会社の現場中堅社員でも落ち続けてる人の話とかよく聞いてましたしね。とにもかくにも主人の協力もあり、運よく合格できました。
Q.一級建築士の資格の合格率って、どれくらいなんですか?。
まず男女比はだいたい男80%女20%、受験者数に対する合格率は年によってもちがいますが、8~10%程度、40歳以上の合格者は全体の10~12%程度です。私が合格した年は、あのアネハ事件の直後で、急に難しくなったときでした。よりにもよってね。まあそれが返って身が引き締めました。
Q.増改築にあたって女性の視点で気を付けていることなどがあるのでしょうか?
現在勤めているリフォ-ム会社は、女性ばかりなんです。リフォ-ムは、なんといってもそこに住む奥様の要望が多いです。使い勝手の改善や微妙な色彩感覚は、やはり女性ならではの視点を意識し、提案しています。夢を形にし、使いやすさを実現するやりがいのある仕事です。
Q.東京マラソンに参加されてますね。マラソンの持久力も勉強が続いた体力に影響していますか?
いえいえ、走り出したのは、一級合格のあとです。がんばった生活が続き、合格したあと目標を失い、ボ-と放心状態のようになったんです。またなにか始めなければ、と思い、一番苦手なことをしよう、と思いました。子どもの頃から、運動音痴で、甲南大学での体育も苦い思い出があります。そこで、走ろう!と思ったんです。はじめは家から300メ-トルほどの多摩川までの距離からでした。往復ですから600メ-トルです。3日坊主で終わるかもしれないと思いながら、気負わず始めました。少しずつ徐々に距離を伸ばしていき、多摩川沿いを毎日走るようになりました。東京マラソンは応募しても当たらなければ参加できません。当たったのはとてもラッキ-でした。いつも車窓からの景色を自分の足で踏みしめながら、眺められるのです。それは気持ちのいい経験でした。なにか東京を制覇したような爽快感です。甲南大学ではブラジル研究会でした。神戸まつりのとき、フラワ-ロ-ドをサンバを踊りながら行進したことがその原点となってるかもしれません。今も毎朝5時起きで3キロ走り、週末には5キロ走ってます。仕事も御蔭様で忙しく充実しています。定年後の60歳にはホノルルマラソンをめざしてます。
"目標を次々と達成し、活き活きと輝いておられてますね。ありがとうございました。"