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営業マンとして多忙な日を過ごしていたが、8年間務めた商社を辞め、芸術の世界に。学生時代に自身の個展を開催し、絵を販売していたこともあり、もともと絵は好きだった。昭和61年には工房兼事務所を開設し、デザインや広告の企画を手掛けながら、和装小物中心に創作活動を行っていた。
平成7年、「彩ころ」で東急ハンズ大賞に入選。「彩ころ」は息子さんの算数の勉強がきっかけで作り始めたもの。サイコロの角が危ないので削って丸みを付け、歌舞伎の図柄や風流な絵を付けてみるなどしているうちに芸術性の高いものに。サイコロとしても使えるよう模様や絵柄に工夫も施されている。(「彩ころ」は平成15年9月19日に特許庁に商標登録されている)

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「彩ころ」

「根付」は京都の和装小物店の依頼で始めた。村上さんの「根付」は、彫刻された「根付」に上絵付けをし、色彩豊かに仕上げたもので、伝統工芸品の根付に新たな世界を広げたものだ。平成14年10月にはフランス・エヴィアン・パレドコングレで日本の芸術として紹介された。
「彩ころ」には椎の木、「根付」にはプライヤー(ツツジの一種)を使う。
「根付」は彫刻刀で形を削り出し、サンドペーパーで磨き、白色に下塗りし、上絵付けを行い、ニスを塗り、仕上げに透明ウレタンを施す。大きさは25~40㎜程度。製作には常作品で1週間程度を要する。 

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「根付 」

『手作りの暖かさを伝えるとともに、彫り方のみの根付ではなく、華やかな彩色で上絵付けをほどこし、憲太郎オリジナル"ヒャーファーの世界"の構築を目指しております。
又、機械で大量生産されるキーホルダーとは違い、手間の掛かる物ですが残さなければならない日本の大切な伝統の一つと思い、創作に臨んでおります。特に女性の方が初めて作品を見て、具体的な言葉以前に「ヒャー、ファー」といった驚きの第一声が発せられます。他愛のない稚拙な作品ではありますが、見る人に不器用な言葉で取り繕うことなく心を伝えることができる、そうした出会いの一瞬を大切にした作品を創っていきたい』と村上さんは話されている。
現在、木彫作品として棗(なつめ)、香合、香立て、簪(かんざし)、帯留、ペンダントなども手掛けている。

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